2018年12月10日の夜は、ようやく晴れてきれいな夜空に恵まれたので、天体撮影に行きました。試してみたかったSTC Astro Duoナローバンドフィルターでの撮影です。また、このような透過光域の狭い、暗いフィルターのために調達したNew FD 300mm F2.8Lの星像も試してみました。
さらに今回は、冷却改造EOS6Dでの撮影でしたが、あえてこれまで使ってきたM-GENでのガイドではなく、ASIAIRでのガイドとしました。ガイドカメラのASI290MM miniをメインカメラにして撮影、Plate SolvingにてSkySafariと同期・アライメントをしたのち、ガイドカメラに設定しなおしてキャリブレーション、ガイドを行いました。このメイン→ガイドのスイッチがうまくいくかどうかを試すのも今回の目的でした。結果として、このような使い方も可能なことがわかりました。
New FD 300mm F2.8Lは、30年以上前のレンズですが、さすがにサンニッパだけのことはあって明るくてもシャープだと感じます。フローライトだけあって色収差も少ないと感じます。STC Astro Duoナローバンドフィルターは、RGB各色でピント位置がずれやすいので、軸上色収差の多いレンズではイクラ現象が起きやすいようですが、このレンズではそれも目立ちにくいようです。ただ、このフィルターはやはりカラーバランスを整えるのが難しいです。6Dとの接続は、光映舎のFD→EFアダプターを介して無限遠の合焦を得ています。絞りは使えなくなるので開放F2.8のみとなりますが、カメラ回転も容易で使いやすいアダプターです。
New FD 300mm F2.8LとSTC Astro Duoナローバンドフィルター、冷却改造6Dの組み合わせによるフラット画像です。この画像によってフラット補正を行うとかなりの強調処理にも耐えるようになってくれます。今回もかなりの光害地での撮影でしたが、フィルターによる強力な光害カット効果とフラット補正により、単純なカブリ補正のみで強調処理ができました。
前回に引き続き、ASIAIRと改造AP赤道儀の組み合わせにて撮影を行いました。ASIAIRとの接続やPlate Solvingによる同期、自動導入はスムーズに行えました。ただ、オートガイドは、まだ安定しない傾向にあります。概ね2秒角以内には収まりますが、突然、パルス状に乱れたり、グラフ外に振れたりします。おそらく、機材の設置画像にあるようにケーブルが多くてバランスが取りにくく、ガイド中にもケーブルが動いたりすることが影響しているようです。キャリブレーションも改善はしましたが、完全には直交しません。このあたりがAP赤道儀の難しいところなのかもしません。ただ、PROMINARとM-GENの組み合わせでは安定していたので、ケーブルの取り回しなどをもう少し工夫すれば改善すると思われます。今後の課題です。
それでも、今回はASIAIRにて、ガイドカメラをメインカメラにして撮影→Plate Solving→同期・アライメント、ガイドカメラに戻してオートガイドというスイッチングが可能なことがわかりました。
その後のソフトウェアアップデートで一眼デジカメのコントロールやディザリングにも対応し、より使い勝手がよくなりました。