ポータブル赤道儀のK-ASTEC GF-50です。タカハシのTG-SD?をベースにしたと思われ、なかなか堅牢です。極軸望遠鏡やガイドボートなども付加されています。以前、波照間島に遠征した時に持っていきました。本来は、ジンバル雲台と組み合わせての運用が想定されていたようです。私も当初、ジンバル雲台とのセット品を購入しましたが、ちょっとバランスがとりずらいなど使いにくい面があったので、色々と考えて以下のような運用になりました。
Lブラケット MPB180T (BENRO)を使用してバランスをとる方法です。赤緯体は、パンニングクランプをかさあげして固定して、簡易に代用しています。かさ上げしたほうが、機材を乗せたときにちょうど良い位置でバランスが取れます。結果としては、変則的なジンバル雲台ということになるのかもしれません。バランスウエイトを必要としないことが、最大の利点と考えています。
ユニテック製のダブル雲台ベースを使用してドイツ式赤道儀のように運用していた時期もありましたが、バランスウエイトを使用するか、もしくはほぼ同じ重量のカメラを両側につける必要がありました。波照間島にてこの形で運用した際に荷物の重量に悩まされたこともあって、Lブラケット方式に変更しました。
Astro6Dとリボルビング装置やタムロンSP15-30mm F2.8など比較的重量のある機材でもバランスが取れます。いずれもクランプフリーでバランスが取れている状態です。GF-50の搭載重量は、3kgまでが推奨のようです。上の写真の組み合わせでは、おおよそ2.0~2.7kg(Lブラケット込み)くらいです。この他、シグマ 150mm EXDG APO MACROなども搭載することがあります。私の手動天体導入技術ですと、このくらいの焦点距離が精一杯です・・・
この運用方法には、欠点もあります。機材を搭載した後に極軸望遠鏡をのぞくことのできる範囲がかなり制限されることです。機材を乗せる前に極軸を合わせてもずれてしまいますので、どうしても搭載後に極軸合わせをする必要があります。そこで、Lブラケットの先端にホームセンターで調達したL字金具をつけて、そこにポールマスターアダプターをつけました。回転軸からオフセットして取り付けることになりますが、使用可能です。厳密に極軸合わせが必要な時はこのようにします。ガイドポートもあるので、極のみのガイドもできます。ただ、搭載する機材の焦点距離を考えるとあまり厳密でなくてもよいと思われます。
通電して恒星時追尾しているところです。消費電流は、0.10A前後ととても小さいです。乾電池ボックスも付属していますが、モバイルバッテリーで運用しています。ガイドポートは、ST-4互換で一般的なオートガイダーが使用可能ですが、ピンアサインが一部異なっているので、専用のケーブルを使用する必要があります。
極軸部分には、ユニテック製の粗動回転装置がつけられるようにテーパーキャッチャーを取り付けています。K-ASTEC製の天文用アルカスイスクランプでLブラケットを強固に固定できます。
三脚は、BENROのフラット三脚を使用することが多いです。フラット三脚は、名前の通りたたむとフラットになるので、カバンなどに入れやすいです。
三脚とGF-50は、極軸高度・方位調整装置XY50を介して接続します。微動可能で、極軸合わせはとてもやりやすいです。もともとカメラネジの固定台がついていましたが、GF-50用の固定クランプを別途購入しました。GF-50を強固に固定することが可能で、着脱も楽です。
波照間島にて撮影した、はくちょう座の中心部です。なかなか持ち出す機会がなくて、まだあまり使い込めていません。光害地ですとなかなか広角撮影もままなりません。せっかく追尾精度もよいのでもっと使ってみたいところです。
ただ、最近はハーモニックドライブを使用した赤道儀も少しづつ登場してきているようです。このような赤道儀が一般的になって普及価格帯になってくると、ポータブル赤道儀や小~中型赤道儀はとってかわられてしまうのかもしれません・・・