セレストロンC5での天体撮影

2018年8月17~18日にかけて、久しぶりに夜間、晴れたので天体撮影に行きました。お盆休みは、新月期が重なったのに全く晴れなかったので、本当に貴重な星空です。星空も夜の気候も秋の気配でした。遠征はできなかったので地元の光害地での撮影ですが、試してみたかったC5での撮影ができました。C5は、これまで惑星の拡大撮影のみで星雲や銀河を撮影するのは、今回が初めてでした。

Celestron C5+0.63レデューサー(787mm F6.3) Vixen SXP赤道儀 + M-GENガイド
ZWO ASI1600MM Pro 冷却設定0℃ Livestack撮影 ZWO社フィルター LRGB合成
リアルタイムダーク減算 IDAS LPS-P2フィルター使用
1、はくちょう座 まゆ星雲(IC5146) 2018/8/17撮影 L 60s×30 RGB(bin2) 各60s×10
総露光時間60分
2、さんかく座銀河(M33) 2018/8/18撮影 L 60s×70 RGB(bin2) 各60s×10
総露光時間100分

F6.3でフォーサーズなので、さほど周辺減光はないと思っていましたが、かなりありました。左辺と下辺は、Livestack撮影中の追尾のずれです。

ステライメージで周辺減光補正してレベル強調すると、今度はリング状の光跡が出てしまいます。

これではダメそうなので、ELフラットフレーム撮影ツールでフラット画像を撮ることにしました。

Lフィルターのフラット画像です。やはり、かなりの周辺減光があります。

フラット補正してレベル調整したL画像です。かなり効果がありました。

RGB画像も同様にして補正してLRGB合成しました。最終画像です。

まゆ星雲も同様にしてフラット補正して仕上げました。L画像を見たときは、背景に埋もれてほとんど写っていなかったのでダメかと思いましたが、フラット補正してレベル調整すると、星雲の像が浮かび上がってきました。フラット補正の重要性を改めて実感しました。Livestack撮影中にダーク補正と一緒にリアルタイムで補正してしまったほうが良いかもしれません。SharpCapは色々と設定が複雑なところがありますが、高機能です。

中心部と四隅の拡大です。中心部の星像は良好ですが、周辺部の星像は、かなり肥大して放射状になってしまっています。

今回は、光害カットフィルターを入れたかったのでBORGパーツ使用しました。純正のSCTアダプターの寸法を参考にしましたが、若干ずれがあったのかもしれません。今後の課題です。

C5は、2018年7月、接近中だった火星を撮影したくて、サマーセールになっていたスポッティングスコープ仕様のものを購入しました。結局、惑星以外も撮影したくなって、色々と手を加えてしまいました。もともとついていたファインダーをピギーバックマウントと等倍スターポインターに変更しました。等倍ですが、アライメントの際に大いに役立っています。スターポインターを固定するレールが付属していましたが、ピギーバックマウントのネジ穴と若干のずれがあり、やすりで削って固定するのに苦労しました。説明書を見ると簡単に固定できるはずのようでしたが・・・

M-GENを同架してのオートガイドは、安定して良好でした。アルカスイスクランプで固定していますが、ノブタイプのクランプはピギーバックマウントと干渉するので、写真のようなタイプのものにしました。

もともと、ビクセン規格のアリガタがついていますが、本体重量2.7kg程度と軽量なため、カメラ三脚での使用も考えてアリガタ底部にカメラネジが切ってあります。これがとても重宝します。カメラを取り付けると、どうしても後ろ重心になるため、付属のアリガタではバランスをとるのが困難です。アルカスイスプレートで延長できるので、何とかバランスが取れます。

ピントノブはややチープな作りで、ピントの山はとてもつかみづらいです。バーティノフマスクがあったほうが良いと思います。

このようなキャリングケースが付属しており、一式収納できます。私は、ピギーバックマウントに付け替えたため、ウレタンの型をカッターで少し整形してしまいました。必要なもの一式を収納できるので、とても重宝しています。

C5は、やや良像範囲が狭いと思われ周辺像の改善など課題はあるものの、とてもコストパフォーマンスの良い製品だと思っています。少し手を加える必要がありますが、軽量コンパクトで取り回しがとても楽です。今後も活躍してくれそうです。