広角レンズでの天体撮影

2018~2019年の年末年始は、かけあしであっという間に過ぎてしまいましたが、天体撮影をする時間も少し取れました。これまであまり行うことのなかった広角レンズでの撮影も試みてみました。
冷却改造6Dにおける広角レンズでのピント位置のズレなど気づくことがいくつかありました。

2018/12/30撮影 オリオン座~いっかくじゅう座付近
Astro6D + EF24-70mm F4L(約45mm 開放) + STC Astro Duoナローバンドフィルター
K-ASTEC GF-50にてノータッチガイド ISO1600 180sec × 21合成

当初は、タムロンSP15-30mm F2.8で撮影する予定でした。しかし、焦点距離15mmにてピント合わせをしようとしてもどうしても合いません。前回トライした時のようなレンズの結露もありません。30mm付近までズームするといくらかマシになりますが、合焦しているとはいえません。ピント位置は、∞側いっぱいになっていました。どうやら、私の冷却改造6Dは、あまり広角だとピントが合わないようです。そこで、EF24-70mm F4Lに変更してみました。ピント位置は、∞側いっぱいにして24mm端から少しずつ70mm端にズームしていってピントの来る位置を探りました。おおよそ45mm付近でほぼ最良に合焦しました。光害カットフィルターの影響かと思って、はずしてみましたがあまり変化はなかったので、やはり無改造カメラとはピントが来る範囲が変わってしまっているようです。広角レンズは、IR改造KissX5の頃に使用して以来久しぶりでした。当時はきちんとピントが来ていたのですが、Astro6Dでは気を付けなくてはいけないようです。
画像処理に関しては、はじめフラット補正なしでコンポジットしてみたのですが、周辺減光やカブリが激しく、ステライメージの周辺減光補正ツールではうまく補正できませんでした。そこで、いつも使用しているELフラットフレーム撮影ツールでフラット画像を撮ってみることにしました。広角レンズでフードも切り込みのあるタイプなので、うまくいかないかと思いましたが、部屋を真っ暗にして可能な限り迷光の侵入がないようにして撮影したら何とか使えそうなフラット画像が取得できました。

レベル調整して強調したものです。このような比較的素直なパターンになってくれました。このフラット画像を使用してフラット補正をしてコンポジットとしたところ、どうにか画像処理できるようになりました。それでも、Duo NBフィルターの影響で、Rの周辺減光が大きくずれていたり、カラーバランス調整に苦戦したりと色々大変でした。
しかしながら、光害地でも広角レンズでの撮影ができたことは大きな収穫でした。久しぶりにポタ赤のK-ASTEC GF-50も使用できました。

次は、ノーマル6Dでの広角撮影です。年が明けてから撮影を試みた、しぶんぎ座流星群です。

2019/1/4未明撮影 しぶんぎ座流星群 放射点付近
無改造6D + タムロンSP15-30mm F2.8(15mm 開放)
SXP赤道儀にてノータッチガイド ISO400 30sec × 10

1月4日4時~5時くらいまでおよそ120枚ほど撮影して、流星が写っていた10枚を比較明合成したものです。期待したより流星は少なかったようです。
こちらは、無改造6Dなので普通にピントが合いました。ただ、光害カットフィルターなしなので、かなりカブリがひどかったです。また、出目金レンズなのでフラット画像も前述のような方法で取得できません。どうしても周辺減光やリング状のムラが出てしまいます。

以上、広角レンズでの天体撮影でした。画像処理も含めていつもの望遠レンズや望遠鏡での撮影とはちがった難しさがあると感じました。しかしながら、強力な光害カットフィルターのおかげでなんとか光害地でも広角撮影が可能なことがわかりました。ポタ赤の設置も手軽でよいので、また撮影してみたいと思います。