2018年12月15日の夜は、ウィルタネン彗星の撮影に行きました。彗星の撮影は、随分前にラヴジョイ彗星を撮った時以来で、きちんと画像処理をしたのは初めてでした。19時半ごろの早い時間から彗星の撮影をしてから、ふたご座~オリオン座が上がってくるまでの間、ぎょしゃ座のIC405 & IC410の撮影を行いました。その後、ふたご座流星群の残り香を撮ろうと思いましたが、赤道儀に同架しておいた広角ズームレンズが結露してしまって、残念ながら撮影できませんでした。当日は、とても寒かったです。
どちらもダーク補正なし、フラット補正ありです。ウィルタネン彗星の方は、本当はこのような強力なフィルターを通さずに撮影するべきなのかもしれませんが、長めの露出をしたかったので使用してみました。光害カブリの影響はかなり軽減されましたが、フラット補正やカラーバランスの調整には苦労しました。フラット補正は、RGB各色で微妙に合わないようで、特にRとGはチャンネルごとに補正(ステライメージの周辺減光補正ツールにて)が必要でした。また、やはり恒星像はモノクロカメラによるナローバンド撮影のようなのっぺりとした星像になりがちです。このため、勾玉星雲の方は、デジタル現像を2回行うことで少し自然な恒星像に近づけました。このフィルターは、光害地での撮影に強力な武器となりますが、色々と工夫が必要そうです。NewFD 300mmF2.8Lに関しては、なかなか優秀な星像だと思います。
当日の夜は、このように結露~凍結するほど寒かったです。同架したタムロンSP15-30mm F2.8レンズにもヒーターを巻いて対策をしていました。前玉はヒーターのおかげで結露しませんでしたが、カメラ交換の際に後玉内部が結露してしまったようです。撮影時にどうしてもピントが合わなくて断念したのですが、翌日に室内で確認するまで原因がわかりませんでした。強力な乾燥剤と一緒にジップロックの中に密閉して室温に置いたら、しばらくして曇りはなくなりました。一度、メンテナンスが必要かもしれません。低温時の結露にはくれぐれも注意しなくてはいけません。
そのようなわけで、ふたご座流星群は肉眼で少し確認できたのみでした。それでも、話題のウィルタネン彗星やぎょしゃ座のにぎやかな領域も初めて撮影できたので、大きな収穫でした。