2018年9月7日の夜、わずかな晴れ間を狙って天体撮影にいきました。新月期なのに天気が思わしくないので、少し無理してでも撮影に行きたかったのです。風が強かったので、車を風よけにするようにして機材を設置しました。撮影対象は、アイリス星雲(NGC7023)です。晴れ間が1時間ほどしか続かなかったのでL画像のみしか撮影できませんでしたが、それなりに収穫はありました。
シュミットカセグレンのコマコレクターによる周辺像改善についてさらに調べてみると、コマコレクターと撮像センサーまでの距離を延長する方向に調整すると良いという記載を見つけました。今回は、それを試してみました。
今回は、コマコレクターとクローズアップレンズNo.3の組み合わせで、約1000mm F8となります。
中心部と四隅の拡大です。かなり改善していると思われます。
これまでの間隔延長調整なしの画像と比べると、像の肥大化やコマ収差が抑えられていると思われます。少なくとも、星が割れてしまうほどの酷い収差はなくなっています。
参考にさせていただいた記事では、コマコレクターから撮像センサーまでの距離(フランジバック)を通常より25mm延長すると、ミード20cm F10鏡筒ではフルサイズの四隅までかなりコマが改善するというものでした。EOS6DにEF25という延長筒を使用されていました。これを参考にR200SS用回転リングと21mmのT2延長筒、バーダー製T2アダプターで試してみました。正確ではないですが、これで通常のEOSマウントアダプターを使用した時と比べて約25mm程度延長できていると考えられます。あとは、スペーサーなどで微調整すればもう少し改善するかもしれません。また、今回はクローズアップレンズNo.3を使用しましたが、No.4でも同様に改善が得られると思われます。さすがにC5では、フルサイズまでというのは無理だと思いますが、フォーサーズなら実用範囲になりそうです。
今回、コマコレクターと撮像センサーまでの間隔を調整すれば、C5でもかなり周辺像の改善がみられることがわかりました。その他にも、フラット補正後に副鏡の影と思われるドーナツ状の模様が目立ってしまうなど、解決しなくてはならない問題点がいくつかありますが、また少し前進したと思われます。